二つの宝石 どうでもいい『さよなら』

「なんとしてでもナデシコを足止めするんだ!!」

将校にしては珍しく、IFSを付けた青年が叫ぶ。

何故珍しいかと言えば、IFSは地球ではマイナーな物で、つけているだけで「改造人間」と思われる程のマイナーぶりだからだ。

火星では普通に使用されていたが、意識の違いがここに見え隠れしている。

だから地球上では“IFSを付けている=パイロット”と言う訳だ。

そんな下賎な物を将校が自ら進んで付ける事はまずない。 だから珍しい。

『『『『『『『『了解!』』』』』』』』

返答したのは、第三防衛ラインの有人宇宙ステーション発進のデルフィニウム部隊だ。

計9機が、ナデシコに接近する。

「ナデシコに通信を開始する。 各機、二機一組行動を厳守
 一組はエンジン部分を狙え。 撃墜は認められていない。バリア突破不能程度に頼むぞ
 二組は出て来た二機の機動兵器は押さえ込むか無力化してくれ
 残りの一組は僕の援護を頼む。 …足を引っ張ってすまない」

『ご心配なく、我々は精鋭部隊ですから』

本当の隊長機からの返信に、本当に済まないと思いながら、アオイ・ジュンはナデシコに通信を始める。




デルフィニウム部隊の機影をキャッチしたナデシコは、ヤマダ、コハクを迎撃に出した。

ちなみにアキトは食堂で仕事の真っ最中だったので遅れている。

「艦長、デルフィニウム部隊より通信が来ています」

メグミが報告するのにユリカが頷いて、ブリッジに宇宙軍のパイロットが写る。

『僕だ、ユリカ』

「あ、ジュン君!?」

実は二人は軍学校時代からの知り合い…、ってユリカさん、貴女このパターン多いですよ…

「艦長、お知り合いで?」

「うん。 アオイ・ジュン君
 ユリカの、とっても仲のいいお友達だよ」

「お友達……、ですか?」

最初から艦長ではなくユリカと指名している辺り、お友達とはいえないのではなかろうか?

プロスも訝しがる。

『…ユリカ。 とりあえず、先ずはこの船を停船させるんだ
 今ならまだ、僕とミスマル提督で軍部を説得できるから…』

「ダメだよ。 私達が行かなかったら、きっと誰も火星には行かないと思うの
 火星の人たちを助けられるのは私達しかいないと思うから…」

『…どうしても、引き返してはくれないのかい?』

「うん。 もう、決めたから」

間髪入れないユリカの返事に、ジュンは説得を諦めた。

『仕方ない、護衛の組と共にエンジン部分の攻撃を開始する』

『させるもんか!』

レーダー上に、遅れて発進したテンカワ機が写る。

『なんだと!? 可動機は二機だったんじゃないのか…?
 仕方ない、ナデシコ攻撃中の隊!足止めを頼む!』

これでナデシコへの攻撃はジュンを含む三機が行う事になった。

そして、アキトに二機が迫る。

直ぐにナデシコを攻撃していた二機に掴まり、交戦する。

既に、コハクとヤマダは戦闘に突入していた。

コハクは難なく二機をあしらい、既に戦闘不能一歩手前にまで追い詰めていた。

ヤマダは…、ゲキガンガーの技名を叫びながら、賑々しく戦闘中だ(笑)。

二対一で引けを取らない辺り、プロスの目の正しさがわかる。

アキトも本格的に戦闘に入った。

「アキト! また私を助けてくれるのね♪」

『アキト……? あのパイロットか…。 いったい誰なんだ、そいつは?』

「ユリカの王子様♪」

頬を緩ませながら言うユリカに、ジュンが固まる。 そして、呆然とした様子で呟く。

『じゃぁ、ミスマル提督の通信で言ってた好きな人って…』

「そういうことだから、通してくれないかなぁ…?
 あ、アキトのエステ、撃っちゃダメだよ?」

ジュン、爆発(笑

『…全機、手を出すな。 新しい奴は僕がやる!!』

『アキト、相手をしてあげなさいよ
 ナデシコの方は私が相手をしとくから』

何時の間にか二機を行動不能にさせたコハクが言う。

と、そこでアラートが鳴り響く。

「脱出艇が1隻、ナデシコから発進しました」

「ルリさん、乗組員の確認をお願いできますかな?」

プロスに従い、ルリが報告する。

「ムネタケ・サダアキ副提督以下、前回の事件で営倉に入ってた人達です」

『あ〜、デルフィニウムのパイロットさん
 攻撃しないからその脱出艇を持って戦闘空域を離れてくれる?
 間違えてドカン!…なんて、洒落にならないから』

コハクの要請に従ったわけではないだろうが、ムネタケが声を荒げて救出を要請したため、デルフィニウム二機が戦闘空域を離れた。

これでコハクは今までジュンの援護をしていた二機との二対一の戦いになって、少しは楽になった。

そして、コハクがデルフィニウム二機を無力化する頃には、既にデルフィニウム達の継続航行距離は限界に来ていた。

『隊長、撤退した方が…』

『…わかった。 お前達は帰還しろ。 僕は決着をつけてから戻る』

『しかし…。 いえ、了解しました』

軍隊内では、上官の命令は絶対。 彼等はコハクにのされた機体を連れて帰還していった。

『なんだよ、お前も帰れよな!』

『うるさい! お前に僕の何がわかるって言うんだ!!』

口喧嘩しつつも格闘している二機を尻目に、ナデシコはどんどん高度を上げていく。

にしても、デルフィニウムの短いマニュピレータで格闘できるジュン。

実は凄腕なのでは?(笑)

「そろそろ第二防衛ラインからミサイルが到達します。 迎撃、よろしく」

ルリがアキト以外の二人にだけ通信する。

コハクが『了解』と返してきた。

『ヤマダさん、アキトはほっといてミサイルの迎撃をやるわよ?』

『ダイゴウジ・ガイだ!!』

ところで、デルフィニウムの稼働時間は後どれ位なのか、誰も確認していないのだろうか?

“残り50秒。 ルリにお願いされた”

…オモイカネ、ありがとう。

そうこうしている内にデルフィニウムが止まる。

アキトがそれを捕まえ、ナデシコに連れ込んだ。

第二防衛ラインからのミサイルがナデシコに到達する。

事前に位置についておいたコハクとヤマダが迎撃を開始。

コハクとヤマダが7:2で破壊、後はナデシコの迎撃ミサイルで破壊した。

そして暫らく上昇を続けると、動力室から通信が来る。

『きた! きたぞ、きたぞぉ!! よっしゃ!
 相転移エンジン、臨界点へ!』

通信画面の中でセイヤがご機嫌でブリッジに報告してくる。

高度1万キロをこえ、やっと相転移エンジンが本領を発揮できる真空状態になってきたのだ。

「ディストーション・フィールド出力最大。 バリアに接触します」

「総員に対ショック姿勢を」

「バリアに接触します。 艦内の皆さんは衝撃に備えてください」

メグミのアナウンスの直ぐ後にナデシコ全体が震えた。

「…変です。 シュミレーションでは既に突破できてるハズ」

『相手が無理してるのかも。 小技は使えないし、突破するしかないわよ?』

撤収中のコハクから一言。 ルリもそれに同意する。

「ウリバタケさん、相転移エンジンは大丈夫ですか?」

『余裕余裕! まだまだいけるぞ』

「わかりました。 それじゃぁ、突貫!!」

「推力全開にしたわよ〜」

なかなか突破できないナデシコ。 連合宇宙軍の戦艦との距離が縮まる。

「このままじゃ、連合宇宙軍に追い付かれちゃうよ」

「まさか、連合宇宙軍のバリア衛星がこれほどとは…」

プロスが呟いた時、バリア衛星が爆発した。

『…無理してるとは思ったけど、爆発するほどだったの(汗)』

「相当無理してたのね〜」

ミナトがお茶らけた様子でコハクのコメントに付け加える。

第1防衛ラインの崩壊により、連合宇宙軍はナデシコ追撃に戦力をさくことが出来なくなり、一石二鳥だったりもする。

まぁ、気付いている人間はいないのだが…




「おう、帰ったぜ!」

ヤマダを先頭に、パイロット達がブリッジに帰ってきた。

ジュンもその中にいる。
ここに来るまでに、アキトが幾度も渋るジュンを説得していたりするがそれは割愛(笑)

しかし、そんなジュンを無視し、ユリカの目はアキトにしか行っていない。

「アキト、お帰り♪」

「艦長、まず先にアオイさんと話すのが筋だと思いますけど」

コハクはそう言って、ジュンをアキトとユリカの間に入れる。

おどおどとした状態のジュンが、情けない声を出す。

「ゆ、ユリカ…」

「ジュン君。 これからどうするの?」

「ぼ、僕は…、このまま軍に戻ってもいいんだけど…
 …その、ユリカのそ、側にいてもいいかな…?」

ただたんに現状の説明をしているだけなのだが、微妙に違うニュアンスを持っているのは気のせいではない。

顔を赤くして落ち着きない様子でジュンが言う。

ブリッジ内は告白っぽいセリフに沸き立つ。

「そっか。 ジュン君は副艦長がいいんだね?」

そんなの何所吹く風って感じでユリカが一言。

「艦長、それ以外に彼に言う事はないの…?」

呆れ顔でコハクが尋ねるも、ユリカは訳がわからないといった顔をする。

「艦長、アオイさんはナデシコに残ると軍を裏切る事になるんですよ?
 それだけなんですか?」

メグミがユリカに言う。

「それだけって?」

メグミはめげずにジュンの援護をする。

「だから、その…。 単なる友達に対する言葉だけじゃない、その…」

「うん。 やっぱり持つべきものは心優しき友達よね」

「あの、そーじゃなくて…」

ユリカの天然パワー炸裂。

周りはこれ以上の援護は不能だった。

友達発言に呆然としているジュンに、皆口々に慰めの言葉を掛ける。

「ありがとうございます
 でも、もう慣れてますから…」

ジュンのこのセリフ、泣かせる言葉じゃないですか(笑

そんなこんなで、何時の間にかジュンもナデシコ色に染まり(?)一件落着となったのであった。




さて、現在ナデシコは追加の0G戦フレームとパイロットの受け入れのためにサツキミドリ2号に停泊する予定です。

一応、三機の0G戦フレームとパイロット達が、先行してナデシコに向けて発進しています。

みんなでお出迎えの準備です。

三機が着艦して、エステバリスから降りようとした時、艦内に警報が鳴り響きました。

「どうしたの、オモイカネ」

“敵影発見。 現在サツキミドリ2号が攻撃を受けてる”

「状況をパイロットとブリッジ要員に送って」

“やってます”

送られた情報を見て、ナデシコ組みのパイロットの三人はエステバリスに乗っています。

ブリッジ要員は、ブリッジに急いでます。

あれ? 着艦したエステバリスはどうしたんでしょうか…?

訳がわからない、と言った感じで立ち尽くしてます。

『そこの三人はラピッドライフルを装備してから発艦して
 あ、ヤマダさんとアキトはフレーム違うんだから出ようとしないで』

そう言いながら0G戦フレームに乗ったのは姉さんでした。

何で姉さんが、とも思いましたがヤマダさんとテンカワさんが空戦フレームに乗っているのを見て納得。

二人とも、フレームを気にせずに戦闘してきたみたいです。 …バカ?

『ルリ。 貴女がいなきゃナデシコは動かないでしょ?
 早くブリッジに行って』

「あ、はい!」

…怒られちゃいました。 バカがうつった…、のかな?

とにかく頑張ってブリッジに急ぎましょう。




自分でも驚くほどスンナリと、0Gでのエステバリスの操作を出来る。

驚きを抱えながらも、増援の三人を先頭にしてコハクは進む。

『敵影はナデシコからの重力波ビームの受信圏外です
 バッテリー残量に注意してください』

メグミが通信で告げるのに対応して、コハクの前に通信ウィンドウが開く。

髪の毛を緑に染めた、ボーイッシュな女の子。

『あいよ』

続いて可愛い系のメガネっ娘。

『わっかりました〜』

幽霊ばりの黒いロングヘアーの女の人。

『狩人に聞きました。 猟かい? ククク』

…ギャグらしい。 笑えないが。

「了解。 出来れば散開して早期解決をしたいわね」

『あ、その意見にさんせ〜』

逸早くメガネっ娘が言う。

『ル○ン三世。 ル○ン、賛成…、ククク』

もはやノーコメント。 黒髪さんも賛成。

『望む所だぜ。 アンタの実力、見せてもらうぜ?』

ボーイッシュな女の子が言う。

丁度、戦闘宙域に入った。

『重力波ビーム、有効圏外です。 バッテリー残量、気を付けて』

ちょっと心配そう(見る人によっては普段通り)なルリの様子に少し和む。

「ありがと。 適度に攻撃、適度に撤退って事でいい?」

『それって行き当たりばったりって言うんだよ〜?』

『出たとこ任せって言い方もあるわね』

『やりたい様にやれりゃ、文句ねぇ』

「でたとこまかせ…、でたまか?」

『あれ、そんな題名の小説あったような…』

『ちょっと、敵はすぐ目の前ですよ!』

メグミが嗜めた時、既に四人は戦闘体制になっており、コハクが敵との交戦を始めようとしていた。

「ホシノ・コハク、engage(交戦)

『あ、なんかそれカッコイイ〜♪
 アマノ・ヒカル。 エンゲージ〜♪』

そう言えば、彼女達の名前すら聞いていなかった。

取り合えず、メガネっ娘はアマノ・ヒカル。

『マキ・イズミ。 婚約』

黒髪ロングヘアーはマキ・イズミ。

「意味が違うよ。 交戦って事で…」

『知ってる。 言ってみただけ』

『ったく、無駄口の多いヤロー達だぜ
 スバル・リョーコ、交戦だ!』

『野郎はリョーコだけだよ』

『あんだとぉ!?』

そんなこんなで、敵が聞いていれば(まぁ、聞いていたとしてもAIだが)呆れるだろうやり取りをしつつも、撃墜数は凄まじい。

ルリにかかれば「バカばっか。 み〜んなバカばっか」と、切り捨てられるだろう。

近場のバッタを蹴って破壊しつつも、コハクはぼやく。

「プロスさんが『性格に多少問題あれど、能力は一流』って言ってたのが実感できるわね
 なんか悲しいな…」

『あん? なんだそりゃ?』

『あ、分かる気がする〜
 「無駄口叩かないで仕事しろ!」って言う人がいないしね〜』

『私、ピッチャーとキャッチャーの調子が悪くなったから一旦引くわ』

「イズミさん、どう言う意味ですか…」

『ピッチャーとキャッチャーでバッテリー
 調子悪いんだから残量が心配って事。 ちょっと考えりゃわかるだろ?』

「…通訳、ありがとうございます」

『ま、最初の内は分かんないのも無理ないよ〜
 私も一回充電してくるね?』

ふと自分のバッテリー残量を見てみる。

まだ半分は残っている。

「皆さん、バッテリーの消費が早いですね」

『なに言ってんだよ。 アレでも宇宙軍のヤツ等より保ってるぞ?
 お前の残量はどれ位だよ?』

「57.08%ですけど?」

『ハァ!? オレだってもう40%切るんだぞ!?
 なにやったんだよ!』

「いえ、特に何も…」

『どうなってんだよ…』

『差し出がましいかも知れませんが、ヒマなので説明しましょうか?』

ルリが登場する。 一応、全通信を聞ける立場なので、今までの会話の内容はわかっているだろう。

『あ、さっきも気になってたんだけどよ?
 このチビッコは?』

『チビッコ…、せめて少女って言って欲しいな』

ルリがボソボソと小声で何か言ったが、二人には聞こえていない。 多分(笑)

「ホシノ・ルリ。 私の妹で、ナデシコのオペレーターなんです」

『へぇ〜。 で、その妹さんが説明してくれんのか?』

『はい。 ではなるべく手短に
 エステバリスの推進力は重力波推進なんですが、電力を消費します
 姉さんは、それを使わずに微調整用のエアと、腕などの振りから発生する力を使って軌道変更などをしてるんです
 しかも、近接戦闘時には作用反作用まで使ってます。 ハッキリ言っちゃいえば、達人技です』

『…要するにアレか? 凄まじく切り詰めて節電してるって事か?』

『思いっきり端的に要約すれば、そうです』

『だから動きがトロイのか…』

『瞬間的な速度…、回避時の加速度が一番早いのは姉さんです』

『メリハリが利いてるってヤツか?』

『そんな感じです』

学校で教師が生徒にモノを教えられているような感じが可笑しくて、コハクは少し笑う。

(その道のプロが分からない事でも、データから読み取れる事もある、と言う事ね)

「リョーコさん、バッテリーは大丈夫ですか?」

『おっと、オレも離脱するぜ』

『姉さん一人で大丈夫ですか?』

「大丈夫。 残り10機程度なら、なんら脅威は無いわ」

言葉通りに、次々にバッタを撃墜していく。

『レーダーオールグリーン。 殲滅完了です』

「あれ? 二・三機少なかった気がするけど…?」

『…そうですね。
 敵が総計10機、レーダーから消えてます
 …艦長?』

『警戒態勢で待機にしましょ。 お茶くらい飲めるわ
 ウンウン』

一人で何を納得してるんだか…

とにかく、エステバリス隊は撤収するのであった…



「さて、皆さんには先の木星蜥蜴の奇襲で通信経路の遮断された格納庫区画に行って頂きます」

「我々は、一機でも多くの機体が欲しい
 元々の予定よりもパイロットが二人多いからだ
 数的優位は、やはり得がたいからな」

ブリーフィングルームで、珍しくゴートが長話をする。

まぁ、この時意外に何時喋るのかって人なんですが…

「ゴートさん、正規パイロットの三人が着任した時点で私は契約が切れてます
 もうパイロットじゃありません」

「まあまあ、そう仰らずに
 我々も今までの戦果から言って、コハクさんに外れられると困るんですよ」

プロスがコハクを説得にかかる。

「現状、貴女のサブオペレーターとしての仕事は殆ど無し
 整備班での仕事はパイロットとしての仕事にダブってる範囲もあります
 パイロット業を継続しても何ら苦にはなっていないと思いますが?」

「命をかけて戦闘している事自体に疲れているんです」

「そこを何とか…。 我々も生存率の向上を望めるからこそ言っているんです」

「…自分勝手ですよね
 でも、判りました。 もう暫らくはパイロットも兼業しておきます」

「…それで、人選なのだが
 テンカワは決定している。 後三人を誰にするか、だ」

「え!? 俺は決定って…」

「テンカワ、君は実戦経験はない。 ましてや宇宙での操縦経験もだ
 実戦でいきなり出すような事は出来ない
 慣らしだと思って、気楽に出てくれればいい」

「…はい」

アキトの心中は複雑だった。

同じように戦闘に参加したコハクが、いとも簡単に実戦に出て結果を出しているのに、自分は慣らしからだと言われる。

地上でバッタの大群から逃げ延びる事で付けた自信が、少しづつぐらついていたのだ。

「先程の結果から言えば、ホシノ君とスバル君には出て貰いたい
 作業宙域は、例によって重力波ビームが届かないからだ」

「素潜りと一緒だろ? 任せとけって」

「消えた二機も気になりますし、参加させてもらいます」

あっさりと参加が決定残る一人は…

「俺様も出させろ! さっきはそいつに邪魔されたが、今度こそ活躍してやるぞぉ!!」

ヤマダが参加を表明。

ヒカルもイズミも面倒事は御免とばかりに辞退したのでメンバー決定。

「では、心苦しいのですが早速、行って頂きたい
 サツキミドリの皆さんに「疫病神」呼ばわりされていますので、ハイ」

たしかに、今まで無かった襲撃があった辺り、ナデシコが無関係だと明言するには不利だ。

ナデシコがいたからこそ、そう言っていられるのだが、その辺りの事は棚に上がっている。

まぁ、サツキミドリでは死者こそ出なかったものの重軽傷者や行方不明者が出ている。

言いたくなるのも分からないではないが、やはりそう言われれば傷つくモノだ。

そんなアキトを他所に、周りの人々は準備を始めている…


――あとがき――

さて、急ピッチと言うか、素晴らしいまでの(?)スピードで仕上げた第3話ですがいかがだったでしょうか?

1話分と言いつつも前後2話に分割しても良いのでは?っと思う分量ですよ。ホント

時間のある今のうちに分割の手筈だけでも整えておこうかとも思うのですが、そういう事に関してはいささか勉強不足でして…

暫らくは長ったらしい一話分にお付き合いくださいマセ…

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