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双子の歩く道 Session 7

「はぁ。 やっぱデカイな…」

セイジはまるで子供のように――まぁ今でも十分子供なのだが――自らの倒した使途を見上げている。

「そりゃぁそうよ。 エヴァから見てるからそんなに大きく感じないだけじゃない?」

ミサトの言葉に、先の戦闘で自分が叩き潰しそうになった二人の大きさを思い出す。

「ん? 父さん?」

セイジは横から来たゲンドウと冬月を見つけると軽く手を挙げる。

「あぁ、セイジ君か。 丁度いい、参号機の件を伝えておこう」

挨拶はそこそこに、本題振る冬月。

ミサトは最初に声をかけられた(セイジが、だが)時から敬礼したまま固まっていたが、やっと手を下ろした。

「どれ位で着くんですか?」

「ふむ。 委員会が口出しをすると思ったのだが、やはり自分の命は惜しいらしくてな
 両支部の仲裁をし、空輸の手配までしおったよ」

「へぇ。 でも、エヴァ専用の航空キャリアーは開発途中でしょ?」

セリフと共にリツコに冷たい視線を送っているが、気付いているのかいないのか。

ちなみに、キャリアーの開発は技術部も関わっている。

「何でも参号機自体は組み立てが終了していないのを逆手にとって、パーツごとにC130輸送機で送って来るそうだ」

「C130か…
 確かに有名な輸送機ではあるらしいですけど、あんな重いもの積めるんですか?」

「何でもエンジン出力を強化した改造版らしいな。 燃費も良くなっているとか」

(良くわかんないけどケンスケが聞いたら喜びそうだな・・・)

「ハァ…。 それで、後どれくらいで着くんです?」

「そう焦るな、一週間以内には着くはずだよ。 組み立てにかかる時間はリツコ君の方でどうにかしてくれるだろう
 それから、弐号機は今から二ヵ月後に届くそうだ。 エヴァ四機、上手く使いたまえ」

最後の言葉はミサトに向けられていた。 ミサトは敬礼で答えた。

「それでは先に見させてもらうよ。 多忙なのでね」

そう言って職員に先を急がせた。 シンジは知らず知らずのうちにゲンドウの後姿を追っていた。

ゲンドウは使徒のコアだった物を手袋を外した手でさわり、後ろで手を組んだ時に、その手の平には・・・

「あら? な〜に見てんの?」

「え!いえ、その・・・。 父さんの手、火傷してるみたいだったから、どうしたのかなって・・・」

「火傷? リツコ、あんたなんか知ってない?」

「あなたがここへ来る前、零号機の実験中に事故があったの。 聞いてるわね」

「いいえ」

「そう、じゃあ話してあげる」

リツコはそこで区切ってから、どこか遠くを見るように言葉を紡ぎ始めた。

「零号機の起動実験で暴走してね。 エントリープラグが強制射出されたの
 実験を外でやるわけにはいかないから部屋の中でやっていたから、当然レイの乗るエントリープラグも暴走する零号機と同じ部屋の中に閉じ込められたのよ
 特殊ベークライトで零号機の足を動かないようにしたらすでに碇指令はエントリープラグの傍にいて、素手で加熱したハッチをこじ開けたの
 火傷はその時のものよ。」

「そうなんですか・・・」

(父さんが綾波を助けた・・・)

「どうでもいいんだけどさ。 使徒についてわかった事とかないの?」

セイジの質問にリツコがキーをたたく。

それに従いパソコンのディスプレイに601の文字が表示される。

「・・・ナニこれ?」

ミサトがそのディスプレイをつまらなさそうに見て言う。

「解析不能のコードナンバー」

「つまり、わけわかんないって事?」

「そうね」

「でも、動力源はあったんでしょ?」

「らしきものは、ね。 でも、一つだけわかったわ」

リツコが再びキーボードを叩くと、ディスプレイになにかが表示される。

それをのぞき込むように見るミサト。

「・・・これって!」

「そう、人間の遺伝子と酷似してるわ。 99.89%ね」

「それって、エヴァと同じ・・・」

「あらためて、わたしたちの浅はかさを思い知らせてくれるわ」

話がよくわからないからただボケッとしているだけのシンジであった。






今晩はミサトの料理をご馳走になる事になった。

ただしセイジは、ミサトの料理の恐ろしさを知るだけあって、自らも少量ながら手料理を作って持って来ていた。

しかし予想外なのはリツコが来ていている事だ。

「なによぉ、これぇ」

悲鳴にも似たリツコの声。

「カレーよ」

さも当然そうに答えるミサト。

(レイには教えたんだけど、まさか自ら作るとは・・・)

「相変わらずインスタントな食事ねぇ」

「お呼ばれしといて文句言わない」

「ま、インスタントに飽きたらチャーハンでもどうぞ」

すかさず持参してきたチャーハンを出す。 隣ではシンジがカレーを全員にかけて回っている。

「あら、お口直しね? ありがたいわ」

「ム! なによそれ!」

「そのままよ。 同じお呼ばれだったらセイジ君の時にすればよかったわ」

普通は人を呼んでおいてインスタントなど出さない。

ミサトの生活不適応者の片鱗はここにも見え隠れしているようだ。

それを聞き流しながらもリツコの分にカレーをかけているシンジ。

「ミサトさんは?」

「んふふふふふふふふっ。 じゃ〜ん」

カップラーメンを差し出すミサト。

「これにかけちゃって、景気よくドブワァッと」

「・・・本気ですかミサトさん?」

(野外訓練で舌が腐ってるのか? ミサトさんは・・・)

「やあね、いけるのよ。 これ」

「…はぁ」

呆れつつも言われた通りにカレーを入れるシンジ。

「最初からカレー味のカップ麺じゃこの味は出ないのよ〜」

そう言ってさっさと食べ始めるミサト。

実にうまそうである。

セイジとリツコは少しためらう。

セイジとリツコが止まっているのを見て不安になったのかシンジも食べるのを躊躇している。

レイだけはカレーを口に入れる。 レイが犠牲者になったようだ。

「・・・これは何?」

眉をひそめて言うレイの言葉を受けて、更に食べにくくなる。

「・・・ま、量は少ないけどチャーハンだけ食べてて下さい。 何か作ってきます」

「あ、僕も手伝うよ」

「・・・私も」

子供三人は逃げるようにしてテーブルを離れ、隣のシンジ達の家へ行く。

リツコは取り残される形だ。

「・・・・・・」

意を決したのだろう。 カレーを一口食べたリツコ。

「!!? …よ、よくもまぁインスタントでこんな味になる事」

今更ながら子供達に付いて行けば良かったと思うリツコであったが、そこで一つ思い出した。

「ミサト。 私、レイにセキュリティーカード渡すつもりだったのよ」

「…ふぅ〜ん」

ミサトも今更ながら自分の料理の不評加減がわかったのだろう。 多少不機嫌そうに答えた。


その後、リツコはレイにセキュリティーカードを渡した後、こう考えたのであった。

(レイが生活するなら、ミサトのところよりも、シンジ君達の所へ行かせた方がいいかしら?)

保護者失格のレッテルはもうすぐ(!?)なミサトであった。


後書き…?

幻魔狼「さて、これで一応掲載はしたぞ。と」

セイジ「…ホント一応だよな。 コレ」

幻魔狼「久々に書いたんで感覚がないんだよね〜」

レイ「前回の掲載が去年の9月8日」

シンジ「今日の日付が2月9日…」

幻魔狼「実に5ヵ月間の間無更新だったと…。いやぁ、長いブランクだ♪」

セイジ「『長いブランクだ♪』じゃ、ねぇよ…」

レイ「実際は半分くらいまで書き上げてあったらしいわ」

幻魔狼「残りの半分を昨日試験終わって帰ってきてから急ピッチで仕上げた訳ですよ」

シンジ「だからあんなに安易な中身だったの…?」

幻魔狼「もともと次話への繋ぎだったし、いいかなぁ…って」

セイジ「良い訳ないだろうよ。それでも物書きか?」

幻魔狼「今回だけはカンベンしてください。ホントに」



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