「・・・又ここか」
セイジは呟いた少しだるい
額には包帯が撒いてあるし、右腕には血が点滴されている
どうやら手術時の麻酔がまだ残っているようだ(まぁ縫合しただけだから発令所にはいけるな
麻酔が残っているのだが、風邪を引いたときと同じ程度だから大丈夫だろう
戦闘が始まってなきゃいいが・・・)点滴のパックはそろそろ切れる位だから終わるまでは手で持ち上げて、終わったらどこかにおいて置けばいいだろう
時計を見る
ケイジに戻ったのが約50分前。NN地雷で時間稼ぎにはなってるはずだ「急げば間に合う…、よな?」
(確信がないが、しょうがない。 動いてた方が麻酔が抜けやすいだろうし(多分))病室を出て、ナンバーを確認 NERVの内部構造は大体分かってるから迷わず発令所まで行けた
「最終安全装置、解除。
エヴァンゲリオン初号機、リフトオフ!」ミサトの声だ。 どうやらまだ本格的な戦闘は始まってはいないようだ
「いい? シンジ君
まずは歩くことだけを考えて」これはリツコだ。 見えてきたモニターには、セイジが先刻タックルをかました相手がいた
(あの時は戦闘機を落とす隙を突いて攻撃を出来たが・・・
母さん。 兄貴を頼むよ?)セイジが物思いにふけっているときに発令所に歓声が響いた
「歩いた!」(リツコさん。 そりゃないでしょうに・・・)
内心苦笑いをする
エヴァをほぼ準備無しに起動させ、初めて動かして見せたのだ今までの経緯から考えればとてつもない偉業だ
それ程エヴァはデリケートで、不機嫌なら動こうともしない我侭な最終決戦兵器なのだ足はそのまま発令所の一番の高み――ゲンドウのいる所――に向かう
モニターを見ると、初号機がこけた職員のほとんどがそれに気を取られているが、使徒が近づいてきている
ゲンドウの後ろに立って呟く「さて。 どうなる?」
ゲンドウはそのままモニターを見続けているが、その傍らの副司令官――冬月コウゾウ――が振り返った「もう、大丈夫なのかね?」
「そんなこと言ってる余裕があるなら、ゼーレから上手に資金を搾り取ってくださいよ」茶化しながら返答し、軽く笑う
「ふぅ、簡単に言ってくれるな?
頭の固い連中の相手をするのは疲れるんだ」本当に疲れた声で出して冬月が言う
「楽しい余生を・・・。 なんて思ってないでしょ?
この道を選んだんならサ」「キツイなぁ。 君は」
心底そう思っているようで、肩をすくめる冬月
それに対し、ゲンドウを指差すセイジその指の先のモニターでは、初号機が使徒に頭を掴んで持ち上げ、ついで初号機の左腕を握りつぶす
『うあぁぁぁ!!?』ダメージのフィートバックでシンジにもそのダメージが伝わる
ミサトがシンジに何か言っているが、シンジに聞く余裕はないだろう(うわぁ…、痛いだろうな…)
ああはなるまいと思いながら、冬月に視線を戻す「そこの人にならったんだよ。 それに、頭の固いのを相手にするのが先生の仕事でしょう?」
軽く笑うのと同時に、使徒の腕から戦闘機を打ち落とした光の槍が初号機の頭部を打つ「シンジ君。 避けて!」
ミサトの声が聞こえる(無理だろ。 いくらなんでも)
事のほか冷静なセイジそうする間に更に数回光の槍が打ち込まれる。 そして・・・
発令所内にけたたましく警報が鳴り響き、モニターは赤い字の“EMERGENCY”で埋め尽くされる
どうやら頭部の拘束具が使徒の攻撃の威力に耐え切れず破壊され、貫通したようだ
シンクロしているシンジも同じように頭部に槍が貫通したのと同じダメージを受ける
*注:作者が考えるダメージは精神的なモノで、肉体自体はダメージはない。
ただ、思い込みから肉体にダメージが及ぶこともある下ではオペレーター達が必死になってディスプレイとキーボードを相手に戦いを挑んでいる
色々聞こえてくる中で、技術部の女性オペレーター――伊吹マヤ――が叫んだセリフ
「初号機。 制御不能です!!」泣きそうなマヤの声
これだけははっきりと聞き取れた(さて。 ここから始まるハズなんだが・・・)
何が始まる事は知っているが、始まるかどうかは確証が持てないそこだけが心配の種だったが、それもすぐに吹き飛ぶ
「!?エヴァ初号機、再起動!」この声によって、ミサトは呆然と初号機の様子を見上げていた
「何が起こったの…」それはセイジが知っていた事である
事エヴァに関してはミサトよりもセイジの方が知っている事が多い総司令のゲンドウ直々に教えて貰ったのだから間違いではないだろう
ゲンドウは、組んだ手の下で唇を歪めている事だろう。
ウソが入っているかもしれないが…
冬月は表情を変えてはいない初号機は雄叫びを上げると、使徒に向かって突っ込んでいく
しかし、使徒に当たる少し前で、オレンジ色の光に阻まれる「A・Tフィールドか。
誰に言うでもなく呟いただけだが、冬月に聞こえていたようだ
使いこなさなければ戦闘は出来ないって事だな。 これは」「君は使えるのかね?」
「試験的には成功してる。 ま、非公式にアメリカでやったんだけどね」初号機が腕を一瞬で修復する
「ふん。 向こうもパイロットさえいれば独自に動きたいという事か」NERVは一枚岩ではない
各支部ごとに手柄を立てようと、我先に技術開発をしているそして、その裏では熾烈な諜報合戦が繰り広げられている
他支部から得た情報を使い、周りを出し抜き、予算を確保するのに目が眩み、協調性は殆ど無いそして、頭である委員会、ひいてはゼーレの指示にはほぼ絶対服従だ
パトロンなのだから当然と言えば当然だが「マルドゥック機関からの通告がなければパイロットの判断ができないんだ
パイロットの選定は、研究機関とは別のマルドゥック機関がする事になっている
問題ないでしょ?」実は実態は無く、NERV本部が裏から指名しているだけなのだが…
「しかし、我々に報告はしてくれねば困るな
君も我々とシナリオを共にするのだから」修復した腕も使って使徒のA・Tフィールドを破る初号機
「アレは偶然だったかもしれないから、報告する必要はないと思った
これからは気を付けるよ」「そうしてくれ」
使徒が初号機に向け光線を放つ
初号機は上体こそ仰け反らせたが、ダメージはない姿勢を戻す勢いのまま使徒を突き飛ばす
使徒は吹っ飛び、後方の兵装ビルへ叩きつけられる初号機は電源供給用のアンビカブルケーブルを躍らせながら使徒へ向け飛ぶ
使徒は腕をクロスさせガードしようとするが、初号機の膝は使徒の急所である赤い球体――コア――に直撃し、コアに無数の亀裂が入るすると使徒が初号機にまとわりついた
「まさか。 自爆する気!?」ミサトの叫びに冬月は
と、さも当然のように言う
「だろうな。 でなければ単独兵器として役に立たん」「先生。 アレが爆発すると金が何千万消えるんでしょうね」
セイジの含み笑いをもった言葉の語尾と使徒の爆発音が重なった「あぁ。 頭が痛いよ・・・」
苦笑する冬月
その瞳には使徒の自爆によって出来た更地が映っている2人の会話の下では職員達が、初号機とシンジを気に掛ける状態を心配している
そして歓声がいや、どよめきが上がった「さて、俺は病室に戻るかな。
返事を待たずその場を立ち去るセイジ
後はよろしく。 父さん」彼らからすれば、今回の使徒殲滅はほぼ予定通りの出来事なのであった
行数稼ぎ的後書き 幻魔狼「って事で、今回もテーブルトーク形式でいきます」
セイジ「わざわざ茨の道を通るか…」シンジ「今回ホントに出番少なかった…(涙」
レイ 「私は何所で出てきたの?」幻魔狼「今回もそうですが、前回も含めてまだ一行も…」
レイ 「あなたの中でヒロインは誰?」幻魔狼「とりあえず、出てくる人はなるべくヒロインに…」
レイ 「サヨナラ」幻魔狼「なんとぉぉ!? 綾波さん! 貴女そんなキャラでしたか!?」
レイ 「わからない。 私、たぶん四人目だから…」セイジ「本編とは関係ナシだ。 勘違いしないでくれよ」
シンジ「セイジ、誰に言ってるの?」セイジ「読者の皆様」
シンジ「…読者がいたの?」セイジ「まぁ、未だにメール一通もきてないけど…」
シンジ「…幻魔狼、もうちょっと頑張ってよ」まったく、その通りです…
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