セイジの見に行ったJ・A(ジェット・アローン)がNERVに配属されたそうだ。
ミサトさんはエネルギーが増えて、まあまあよかったとか言ってた。エヴァのケイジを改造して造ったJ・A専用のケイジを見学しに行った時に、ミサトにこう言われた。
「ねぇシンジ君。ドイツ支部から来るセカンドチルドレンに会ってみたくない?」「え?セカンドチルドレンって…?」
「んふふ〜。 それは会ってからのお楽しみ〜。」
そんな意味深なセリフに乗せられて、シンジは今、ここにいる。「ミル55D輸送ヘリ。こんなことでもなけきゃ一生乗る機会なんかないだろうね。
今乗っているヘリの説明をしたのはケンスケで、その隣には帽子一つでハイテンションになれるトウジがいる。
やっぱ、持つべき物は友達だよな〜。 な、碇?」セイジは他に4機いる護衛ヘリの1機に乗っている。レイはシンクロテストでNERV本部にいる。
「毎日、同じ山ん中じゃ息苦しいと思ってね。
たまの日曜だからデートに誘ったんじゃないのよん♪」前の座席にいるミサトが後部座席のある後ろを見ながら言ってきた。
「えぇ!?そんじゃ今日はホンマにミサトさんとデートですか?
この帽子、今日のこの日のために購うたんです、ミサトさん。」何でトウジとケンスケがいるかって言うと、ミサトが言った通りで、ただたんに連れてきたのだ。
ミサト曰く『豪華なお船で太平洋をクルージングよん♪』だそうだが、そのお船はとてつもない物だった。「おぉ、空母が5、戦艦が4、太平洋艦隊勢揃いだ!!」
…だそうだ。「これが豪華なお船ぇ?」
トウジのこの言葉には同感だった。しかし、ケンスケにとってはこれ以上無いほどのものだろう。
「正にゴージャス、国連軍が誇る正規空母オーバー・ザ・レインボウ!」「よ〜くこんな老朽艦が浮いてられるものねぇ〜〜」
「いやいや、セカンドインパクト前のビンテージモノじゃないすか!」ケンスケとミサトのやり取りにはシンジ、トウジ共に話しに付いて行けないのであった。
旗艦であり空母であるオーバー・ザ・レインボウに降り立ち、トウジの帽子が飛ばされ、追っているのを眺めながらセイジと合流すると目の前に黄色いワンピースを着て、右手を腰に当てた少女が仁王立ちしていた。その少女の足の下にトウジの帽子が踏まれている。
トウジがホッとし、それをとろうとしているが、なかなか取り返せない。「おう、アスカ。久しぶりだな。」 「アスカ。久しぶりね。」
セイジとミサトが挨拶をしたその少女こそがセカンドチルドレン、惣流・アスカ・ラングレーである。「Hello!ミサト、セイジ。元気にしてた?」
「ぼちぼち。」「まぁねぇ〜。 あら、あなたも背が伸びたんじゃない?」
「そ! 他の所もちゃぁ〜んと女らしくなってるわよ!」ミサトがアスカに歩み寄り、笑いかけるとアスカも笑い返す。
アスカのそれは悪意が含まれていた。「ミサト、少し太ったんじゃないの?」
「ぬわんですってぇ〜!?
…まぁ、いいわ。
紹介するわ。 エヴァンゲリオン弐号機の専属パイロット、セカンドチルドレン。
惣流・アスカ・ラングレーよ。」その時海の上の風が強く吹き付けてきた。
無論ワンピースのスカートなどと言うものは捲れ上がる道をたどるものだ。小気味いい快音が4回鳴り響く。
「のわ!」「痛い…」「ぐぅ・・・」「いや〜、切れのいいビンタだこと。」最後のセリフはセイジの物であり、彼は上体を下げてビンタをかわしていた。
シンジ、トウジは片側に、ケンスケは両側にもみじが出来上がっている。「な、何するんじゃ、ワレ!」
「見物料よ。安いもんでしょ?」「何で俺だけ往復ビンタ…」
なきながらも撮影は止めないケンスケ。これはカメラマン魂とでも言おうか…。「あんたも当然でしょ?
まぁ、言いたい事はわかるが突発的な事故に対しては厳しすぎるのでは?
こんな可愛い美少女を撮影したんだから。安すぎるもんよ。」と思わずにわいられないシンジ。
トウジもその憤慨は同じらしいが、あまりしない方がいい事をやろうとしている。止める気にはならないが…
「そんなもん! ワシのも見せたるわい!」そう言うと、トウジは勢いよくジャージを下げる。
しかし勢いあまって、見せるはずであったものまで下げてしまい、トウジはカメラマン同様に両側にもみじを咲かせる事になる。アスカはこんな馬鹿に付き合ってられないといわんばかりにミサトに向き直る。
「で? 噂のセイジのお兄さん?」そう言って視線がシンジに来る。
「な、なに?」アスカはジロジロと物色するように見る。
「へぇ〜、セイジの兄貴って言うからもうチョットたくましいかと思った。」「ま、育った環境が違うからね。 気にするなよ、兄貴。」
セイジのフォローが入るが、今更である。別段気にするようなことはしていない。
大体、最近意識し始めた事ではないのだ。昔からその手の言葉には慣れている。
「それじゃアスカ、コレの艦長に合いに行くから船橋まで案内してくれる?」「OK! じゃ、行きましょ。」
ミサトの言葉にアスカは元気よく頷くと、踵を返して歩いて行く。
「おやおや。
ボーイスカウト引率のお姉さんかと思っていたが、それはどうやらこちらの勘違いだった様だな。」「ご理解頂けて幸いですわ、艦長。」
船橋(ブリッジ)に入り、船長と対面して早々の痛烈な皮肉をサラリと受け流す。「いやいや、私の方こそ久しぶりに子供達のお守りが出来て幸せだよ。」
船長は嫌味しか言わない。どうやら今回の任務に対しては納得していないようだ。
「この度はエヴァ弐号機の輸送援助ありがとうございます。
こちらが非常用電源ソケットの仕様書です。」「ふん! 大体、この海の上であの人形を動かす要請なんぞ聞いちゃおらん。」
「万一の事態に対する備え、と理解して頂けますか?」艦長は受け取った仕様書を一瞥もせず机の上に放り出すと、忌々しげに言葉を吐く。
「その万一に備えて、我々太平洋艦隊が護衛しておる。
いつから国連軍は宅配屋に転職したのかな?」「某組織が結成された後だと記憶しておりますが?」
この副艦長も艦長同様、今回の任務をどうやら快く思ってないらしい。「オモチャ1つ運ぶのに大層な護衛だよ。
「EVAの重要度を考えると足りない位ですが…
太平洋艦隊勢揃いだからな。」
では、この書類にサインを…」「まだだ!」
この一言に、それまで冷静でにこやかな応対を続けていたミサトの眉がヒクつきはじめる。いい加減この他所行き用の態度が辛いようだ。
「EVA弐号機及び同操縦者はドイツの第三支部より本艦隊が預かっている!
君等の勝手は許さん!」「では、いつ引き渡しを?」
「新横須賀に陸揚げしてからになります。」ミサトの問いに当然とばかりに副艦長が答える。
「海の上は我々の管轄だ! 黙って従って貰おう。」「わかりました…
一度差し出した書類をしまいながらもその点だけを強調しておくミサト。
但し、有事の際は我々ネルフの指揮権が最優先である事をお忘れなく。」「ミサトさん、カッコエエ〜な〜。」
「うんうん!」ケンスケとトウジがミサトのことを尊敬のまなざしで見るその後ろから突然声が聞こえた。
「相変わらず凛々しいなぁ〜」「かっ、加持!?」
「加持せんぱぁ〜い(はぁと)」「あ。 加持さん、お久しぶりです。」
「加持君! 君をブリッジに招待した覚えはないぞ!」ミサトの冷静だった態度が崩れ、アスカが急にしおらしくなり、セイジが軽く片手を上げて挨拶し、船長が許可なく入ってきた事に怒ったりと、様々な反応を起こしながら現れただらしのない無精ひげの男は、前3人には手を軽く上げて答え、船長には「そりゃぁ、失礼。」と言うにとどまった。
そんな男――NERVの諜報部員、加持リョウジ――はこの場を相当にかき回した。ミサトの顔色が変わり、持っていた書類ケースを床に落としてしまう。
反対にアスカは満面の笑みで加持に抱きつく、加持はミサトに向かってニヤリと笑う。
船橋から降りる最低限の大きさのエレベーターは、セイジが後から行くとしたのにもかかわらず、5人の乗客は楽には乗れないようだった。「なんであんたがここにいるのよ!?」
ミサトは加持に詰め寄る。もっとも詰め寄れる必要があるほど広くないのだが。加持は額に青筋を立てて睨んでくるミサトに苦笑し、彼女の理不尽な怒りを抑えようとする。
「アスカの随伴でね、ドイツから出張さ。」「迂闊だったわぁ〜! 充分考えられる事態だったのに…」
心底悔しそうに、親指の爪を噛みながらミサトは呟く。「まあ、積もる話もあるだろうし、とりあえずゆっくり話が出来る所に行こう。」
そんな言葉には反応せずに、この中の女性二人は同時に同じ事を叫ぶ。「「チョット!変なとこ触らないで(よ)!!」」
「しょうがないだろ!狭いんだから。」 「しゃぁないやんけ!狭いんやから。」異口同音に叫び返したのは加持とトウジだった。
ケンスケはあいも変わらずカメラをまわしている。シンジは何も言う気になれない。
「もう!だったらセイジと一緒に残ってれば良かったのよ!!」アスカのもっともな言葉を乗せながら、エレベーターは降下しつづける。
『第三小隊は予定通り発艦。 到着第七小隊は第七デッキに上がって下さい。』忙しなく館内放送が流れる食堂の様な場所でお茶を飲む7人。
テーブルの向かい合わせにミサトと加持が座り、ミサトの隣にシンジ、トウジ、ケンスケ。加持の隣に、アスカ、セイジ。加持はミサトに笑いながら質問する。
「今、つき合っている奴いるの?」コーヒーを口に含みながらミサトに流し目を送る加持。
ミサトは視線をそらしてムッとしながら答える。「それが、あなたにどういう関係があるっていうの?」
「あれ、つれないなぁ〜〜。 で、セイジ君。
ミサトの部屋、マシになった?」「一時期は。 今は俺の預かりの知らぬ所です。」
「そうか…… ところでシンジ君、彼女の寝相の悪さ… 直ってる?」いきなり話を振られたが、朝ミサトを起こしに行った時の事を思い出す。
「「「ええぇ〜〜〜〜!」」」その言葉の意味にショックを受け、いやぁ〜んなポーズで固まるアスカとケンスケとトウジ。
シンジはその言葉の真意がわからず、三人のポーズを不思議そうに見る。「な、な、何言ってるのよ!」
「で? どうなんだい?」ミサトの言葉を無視して聞いてくる加持。
「ところで、何で僕の名前知ってるんです?」「そりゃ知っているさ。
その言葉にはアスカが反応した。
エヴァ初号機を訓練無しに起動させたサードチルドレン、この世界じゃ君は有名だからね。」「サード? サードはセイジじゃないの?」
「それね、親父が馬鹿やってくれたんだ。
俺を一介のNERV職員にしといたのさ。
エヴァのパイロットでなく、ね……
だから俺がフォースチルドレンって事になる。」シンジはふと疑問に思う。
セイジは今までゲンドウの事を“父さん”と呼んでいた。だが、今は“親父”と呼んでいる。コレはどういうことか。
シンジの思考が巡り得る先に答えはなかった。「そうなんだ…」
「じゃあ、また後でなっ!」加持は残ったコーヒーを飲み干し、ミサトにウィンクを残して立ち去って行った。
艦長や加持の愚痴を言い合いながら艦内のエスカレーターを上っているミサト達。「しっかし、いけすかん艦長やったな!」
「プライドの高い人なのよ皮肉の一つも言いたくなるんでしょ。」「賑やかで面白い人ですね、加持さんって。」
ケンスケが、カメラ片手に、怒ったミサトの顔も良いと言い、先程から撮りまくっている。「昔からなのよ、あの馬鹿!」
「シンジ!! ちょっと付合って!」突然、エスカレーター終点で腰に手を当て高飛車な態度のアスカに呼ばれるシンジ。
無性に悪い予感がしたが、アスカとの相性上断れなかった。
シートをアスカが取り払う。塞がれていた視界が開けると、その向こうに、横たわるエヴァンゲリオン弐号機が見える。
「へぇ。 弐号機って赤いんだね。」アスカは振り返ると、得意満面で言う。
「それだけじゃないわ。 このエヴァンゲリオン弐号機は初の実践型配備なの。
だからアンタの試験機たる初号機とは違うのよ!」その時、一つの爆発音が海上から鳴り響いた。
床がぐらぐらと揺れる、シンジは手すりに掴まって揺れを堪え、音源を捜す。アスカは、華麗に、弐号機の上から飛び降りると、同じく手すりに掴まり音源を捜す。
「水中衝撃波? 爆発が近いわ!」音源はすぐに見つかった。護衛艦の一隻が爆発炎し、いくつもの水柱が立っていたからである。
しかもその水柱が連続して生じているのだ。「まさか、使徒!?」
「あれが? 本物の?」後ろを向いたアスカの方から「チャ〜〜〜ンス!」と聞こえたのは風の悪戯であろうか…
――あとがき――
【幻魔狼】今回はアニメの内容をなるべく忠実に再現(したつもり)である【セイジ】それって楽したって事じゃないのか?
【アスカ】ま、忠実に再現してたらセイジが乗船するハズ無いんだけどねぇ〜【幻魔狼】くわ!! 黙れ青二才と小娘!!!
【セイジ】そりゃお前だ【アスカ】小娘とは何よ、この精神発達障害者!
【シンジ】惣流、それって罵倒とはいえ言っちゃダメだと思うけど【レイ】無理よ、赤毛猿に人間の言葉はキチンと理解出来ないもの・・・
【アスカ】ちょっとファースト、あんた目玉は付いてるの?【幻魔狼】はいはいハイハイ。 口喧嘩はやめましょ〜
【アスカ】五月蝿い! 元凶の癖に!!【セイジ】アスカ、流石にヒートアップしすぎ
【アスカ】きゅぅ…←手刀にて意識を刈り取られる【シンジ】ははは、すっかりキレキャラになっちゃったね(汗)
【レイ】問題無いわ【幻魔狼】ま、面倒はセイジが見てくれるっしょ
【セイジ】無責任な…



